神之瀬峡の位置
神之瀬峡は三次市にあります。 神之瀬峡は中国縦貫自動車道三次インターから車で北へ約30分。距離は約16キロメートルです。三次から県道39号線を高野町方面に行くと君田温泉を見て左の道、県道456号線に入ります。 この道は庄原市高野町の高暮ダムへ行く道でもあります。約10キロメートル、15分で三次市君田町櫃田沓が原に着きます。 ここから8キロの道が神野瀬川沿いに続いていて美しく、豊かな自然景観を、楽しむことができる神之瀬峡です。 「神之瀬峡 地図」
「神之瀬峡への道」は私の好きな道2006で8位にランキングされ、2007年7月9日、三次市へ記念の盾が、国土交通省中国幹線道路調査事務所から、贈られています。 道は1車線なので、入り口の駐車場に止めて散策されるのをお勧めします。
またインターネツトのWEB人気投票でも、全国18478票の中から、391票を獲得、4位になっています。 自然と川だけの静かな空間に、癒しを感じられる方が、多いようです。
神之瀬峡 新着
4月10日、4月に咲く花 神野瀬峡を掲載しました。
11月2日、高暮ダム湖畔の道から上に登って岩屋権現に行きました。
神之瀬峡自然公園
神之瀬峡は平成10年(1998年)に広島県立神之瀬峡自然公園として指定されました。 それは神之瀬川の侵食作用による見事なV字谷が見られる江の川水系上流で最も美しい渓谷として 認められたからです。このあたりは昭和54年(1979年)神之瀬峡自然環境保全地域に指定され守られて きました。そのため自然が豊かです。それで県民の保険・休養・生涯学習 の資源となっていることが指定の理由です。
その他の広島県の自然公園は(南原峡)(山野峡)(三倉岳)(竹林寺用倉山)(仏通寺御調八幡宮)があり ます。神之瀬峡はその中で最も新しく指定されたものです。指定面積は2736haと広島県の県立公園では 最大です。主な場所は神之瀬湖,判官山,高幡観音,中野谷渓谷などを含んでいます。
神之瀬峡の地形地質
神之瀬峡は沓が原から高暮ダムまで約8kmをいいます。 神之瀬峡は広島県西部の三段峡と同じ上位の 渓谷と呼ばれています。 それは高位浸食面(脊梁山地面)から中位浸食面(吉備高原面)の間に流れる渓谷という意味です。 神之瀬峡の茗荷谷や、その上流では、断層線に沿って、鉱泉が沸いています。岩肌には 石灰華らしい鉱物質の沈積(小型の千枚皿)が見られます。川の中にも含有鉱物の泡が湧き上がって います。地質は、茗荷谷から神之瀬湖あたりは主に流紋岩質凝灰岩、沓ヶ原から茗荷谷と、中野谷渓谷は、流紋岩質細粒凝灰岩、中野原から沓ヶ原は、細中粒花崗岩、で構成されています。
神之瀬峡の滝
小庵の滝-----高募ダム堰堤から2.2キロ下流に道をいくと下流側から左の谷にある滝。小山に取り付く 遊歩道が整備されている。あたりはブナとイヌブナが混生していて違いを観察するのに適している。
標高330m沓が原から上流に向かって右の支流に入ると黒口そして中の谷にいく。約2.4Kmはいると 標高490mあたりで右に支流がある。これが曲谷。この上に曲谷橋が架かる。
[F1]曲谷の滝(仮称)---曲谷橋をおり上流を見ると高さ15m。幅約5mのなめら滝がある。
[F2]四段の滝(仮称)----曲谷橋をおり下流を見ると4段の細い滝がある。下から10mそして7m の細身の滝。その上に奥行き約6m幅4mのなめら滝。最上部に約1mと2mの小滝が続いている。
[F3]鳴ヶ滝--------F2の滝が中野谷の沢に落ちてから上流に60m進むと高さ約8m。幅約6mの 滝が垂直に落ちている。ここは断層面に当たる。水量もあり神之瀬峡随一の堂々とした滝だ。
[F4]3 段の滝(仮称)----鳴ヶ滝からさらに上流に行くと小さな滝が沢山ある。約100m上流に いくと高さ2m。その上に8mの細身の滝。そして2mのなめら滝がある。
神之瀬峡の神野瀬川本流には滝はなく上のような巨石がある。 かっては滝があっただろうが、川の浸食により滝は後退し川幅も広くなつていった。 このような河川は「平衡河川」と呼ばれている。神之瀬峡の見所のひとつに川の中央に幅約8m高さ 6mの奇岩があるがこれなど昔、滝の後退に取り残された岩として考えられる。
動画へリンク
鳴ヶ滝下流の中の谷川の淵 鳴小滝
上の写真は[F2]四段の滝の少し上流。鳴るヶ滝の下流にある小さな淵。この場所は鳴ヶ滝見学ベンチのある所から少し上った所です。 この渓流の場所は神之瀬川の支流ですが神之瀬峡県立自然公園の中でも唯一第一種特別地域に指定されている場所で厳重に風致を維持する 所と決められています。この動画は神之瀬峡の滝「四段の滝」に掲載しています。またこの小滝を私は鳴小滝 と呼んでいます。この滝を上部から撮った映像もyoutubeにUPしました。
神之瀬峡の植物
神之瀬峡から確認されている種子植物の種類は769種で面積1平方キロメートルあたり27.5種類と狭い範囲で数多くの植物があるとこがわかります。海抜標高範囲は260m〜940mです。特筆する植物としては・サンインシロカネソウ・ヒメザゼンソウ・キクザキイチゲ・オキナグサ・ヒメカンアオイ・ヤマシャクヤク・ヒメシャガ・エビネなど絶滅の危機に瀕しているものがあり大切にしていきたいものです。 写真は2004年5月6日撮影のキシツツジ。この頃は沢山の花が神之瀬峡を彩ります。
神之瀬峡の動物
神之瀬峡では哺乳類20種。鳥は50種確認されています。・コノハズク・サンコウチョウ・オシドリ・ヤマドリ・オオアカゲラ・カワアイサなど珍しい鳥たちの住みかにもなっています。爬虫類は7種。両生類は7種で・オオサンショウウオ・カスミサンショウウオなどが確認されています。魚類は18種。・カジカ・ゴギ・サクラマスなどいましたが最近ではあまり見られなくなりました。昆虫類は804種。ギフチョウも姿が見えなくなりましたが依然多くの生き物の暮らしの場としての貴重な自然が残っています。