武村 精一の「沖縄ケラマ旅行記」

地元三次在住の親友でパソコン仲間でもあるメナモミと共に沖縄旅行に (6月24日ー28日)出かけた。今回はこの旅行記を2回に分けて書いてみる。 なお地元BBSの「のびのびネット」に掲載した物の転用である事を附記しておく。

1.昨年からの経緯

 昨年(1994年)8月に、私は沖縄に4泊5日の日程で出かけた。(昨年も FZENFの風のたよりにアップした) 宮古島までの予定であった。地元の ダイビングショップのツアーに乗ってダイビングではあった。だが台風の為に、 本島にて足止めになってしまい、目的も殆ど果たせず、非常に残念な旅行であった。

 その後は一人でも行きたかったが、子供が11月に生まれて、私生活でも かなり忙しく、余裕がない状態が続いていた。独身のメナモミの方は、昨年夏に ダイビングのCカードを取得し、沖縄方面の誘いがこの時からあった。私の方 でも、もう一度出かけては見たい。だが宮古島のこの8月の時期は台風でもう こりごりであったので、別なシーズンならの気持ちが以前からあった。

 ダイビングの雑誌とかのバックナンバーをめくって、本島から少し離れた ケラマの離島、しかも6月の下旬にターゲットをもう今年の初めから絞った。

 6月の中旬頃には本土と違って、梅雨はまず空けていて、台風の心配は殆どない。 昨年本島では大きな島の為に、台風が過ぎ去っても、ダイビングはその後も殆ど 出来なかった。だが離島の慶留間=ケラマ(沖縄本島から西へおよそ40kmに ある=素朴でしかもダイビングスポットが良い所で有名)方面では、風に強いく ても小さな島の為に、小回りがきき為、かなり融通がきく。実際本島では ダイビングが出来ない状態でも、ケラマでは出来た。それに海の透明度も良い。

 ケラマにこだわった理由は、海の地形にも寄る。私は何度か沖縄にもケラマを 含めて、出かけた経験がある。そのほかの海外の場所ではモルジブしか分からない。  だがこのモルジブを含めて、海外のダイビングスポットは、ドロップオフ(岸辺 から急に深くなる棚)が大半である。また砂地が少ない。私は浅瀬で明るく、 砂地が多いスポットが好きである。これに適するのは、はやりケラマである。

 私の休みはかなり融通がある。だがメナモミの方では、土曜、日曜にどちらか 掛からないと、連続の休暇は難しい。これらの状況から6月の中旬以降の 24ー28日に、しかもケラマに的を絞った。

2.ケラマ鹿の事

 時期と場所については,およそ今年の初めに決ってみた物の、具体的な島 (ケラマ諸島は大きく分けて3箇所の島に分けられる)の選定とか、宿泊所に ついては、雑誌以外では、私は知る方法はなかった。だがパソ通のメナモミは NIFのダイビングフォーラムのデーターライブラリーを利用した。具体的には この中の沖縄、久米島以西の数年前のログをダウンしており、このログを私は じっくりと読んだ。3箇所の島(座間味、阿嘉、渡嘉敷ートカシキ)の中では 私は、特に阿嘉島(あかじま)の方を希望をしていた。その理由は以下の通りである。

   1。天然記念物のケラマ鹿が見られること。他の2島にはまず見られ      ない。ただし他の無人島では見ることが出来る。

   2。飛行場と陸続きとなっている、慶留間(ゲルマ)島といずれ橋にて阿嘉島は結ばれる。現在阿嘉島は比較的小さく素朴な島であるらしいが、この陸続きによって、雰囲気が変わる可能性がある。今の内に出かけてみたい。

この様な理由から阿嘉島に的は絞っていた。阿嘉島にはダイビングサービスとか 民宿を中心とした宿は座間味島程ではないが、それでも多い。その中のどれに するかは、NIFのログを参照して決めた。サービスと民宿とが一緒になって いる店の中の一部には、メナモミが言うには、 「サービスと宿とが一緒になる、まとまった雰囲気も捨てがたい。しかし  余り深夜まで飲み明かしてしまう宴会は好きではない。」  =メナモミは酒に弱いのもある。  との事から、サービスと宿とは別な所にした。それでもおよそ5から6軒の 宿があった。サービスとショップはログを参考に3月に決めた。一応昨年主催 した地元三次のショップにも相談したが、取扱が難しいとの事から、今回は全て 自分達のみで執り行った。

3.航空券の手配

 一応4月の上旬にこのサービスと宿の両方を取り扱っている旅行会社(東京に あるN社)に電話をした。広島空港発の日程と料金表までの見積が来た。だが 5月の初旬の段階で、しかも広島の様な地方出発のツアーは、搭乗券の発券は 人数が揃わないと、出発保障が出来ないとの返答があった。(旅行会社では団体 扱いの発券で、その範囲内で行うとなると、制限がかなりある)  この為に個人でN社との折衝は取りやめてツアーはキャンセルした。航空券 だけは確実に事前に取らないとまずいので、急きょ地元の旅行関係の営業所に 電話をして、2名分の手配だけは直に行った。

 ここ数カ月前にANAでは、早割(はやわり)のシステムとなって、2カ月前 からの発券が出来るようになった。この時期の沖縄では往復割引がなくなる物の、 35%の割引は大きい。昨年の今頃であったなら、およそ運賃は48000円 ぐらいであったが、今回は35000円ぐらいと、1万以上も値引きとなって いる。(但しその分キャンセル料金も高いリスクがある)  那覇市内からケラマに渡る方法は飛行機(琉球エアーコミューター=RAC) と船による方法と2種類ある。RACによるのも天候が良ければ魅力が多い。 (私の趣味の一つには民間飛行機による旅行がある。特にこの那覇ーケラマ線は 15分とフライト時間は短い物の、小型の機体の分眺めが良い。)

 しかしログによると、特に帰りの便はチェックインの時刻が早い割には、現地 で何もすることもなく(ケラマの飛行場のある外地=ふかじ島は本来無人島で、 フライトに合わせて、3箇所の島より船が到着する)、それに土産の店も全く ない。この為に時間の潰すのがとても困ったの記事があった。那覇からケラマ 往路の船は、泊港発15:00である。広島到着便時刻でも何とか間に合う。 だが久々私は小型機にも乗りたいので、往路のみはRACとした。

4.日程と費用

 日程と費用の概算は以下の通りである。初日の那覇では、同じ空港内でしかも 時間が限られているので、昼食は空港内となる見込み。また帰りについては、船の 利用なる。泊(とまり)港から帰り便まで、かなり時間があるので、市内にて散策 がてら、色々買物もする予定。(ケラマでは殆ど買物をする場所は余りない。)  また万一飛行機の欠航があった場合は、この割引料金はどうなるのか心配 であった。だがまだ旅行社では前例がないので、分からないとの事なので、後日 調べる事となっている。

【日程】
[6月24日(土曜)]
 9:00頃 三次発自家用車にて広島空港まで
11:55  広島発 ANA279 
13:40  那覇着 
       ーー待ち時間を利用して空港内で昼食ーー
14:55  那覇発 JTA711
15:10  ケラマ(外地島)着 着後は船にて阿嘉島にて
15:40頃 阿嘉島着

[6月25日ー27日終日フリータイム]

[6月28日(水曜)]
10:25  阿嘉島発 クイーンザマミ
  11:30頃 那覇泊港着ーー待ち時間を利用してタクシーで那覇市内まで昼食と買物予定 17:45  那覇発 ANA280
19:30  広島着 
21:00頃 三次着

【概算費用の算出】

1)交通費関係>

那覇 ー広島(往復・早割)         35180
那覇 ーケラマ(片道)            7000
ケラマー阿嘉 (マリンバス)        500
阿嘉 ー泊  (クーンザマミ)        2630
泊  ー那覇市内(タクシー)  1000/2= 500
那覇市内ー空港(タクシー)   1400/2= 700
広島空港駐車料金(5日間)   5000/2=2500
三次ー空港ガス代(約100km)1000/2= 500
 (交通費小計:49510円

2)宿泊費。食事関係
民宿O (1泊2食)@6000*4泊=24000
24日昼食(空港内)  沖縄そば等      1000
25ー27日昼食弁当   @1000*3日= 3000
28日昼食(那覇市内) 市内のステーキ他   1500
 (宿泊費。食事関係小計:29500円

3)ダイビング関係
25ー27日 ファンダイブ@9064*3日=27192
郵パック(三次ー阿嘉)            1500
(ダイビング関係 小計28692円)
中計  107702

5.事前の準備

 RAC(ラック=琉球エアーコミュター=那覇ーケラマ)間のフライトでは 機内荷物の点で制限がある。大型機体ならそれほど問題はないが、RACの 機体は今回の便は19人乗りのDHCツインオッターの方である。機内の持込み 品および預ける荷物の合計が10kgまで制限はかなり厳しい。最も追加料金を 払えば(1kg当りおよそ100円ぐらい)超過重量分の荷物を持ち込む事も できる。しかしフライトの状況によっては、その便では無理なケースとなり、 次の便に回されてしまう場合もある。

 それに行きがけに那覇空港にて、乗り換えの時に重い荷物では意外と面倒な 作業である。ANAとRACとは同じ空港敷地内でもかなり離れている。歩いて およそ10分の距離だ。一旦ANAの荷物を受領した後に、また手続きをして、 さらに歩く可能性もある。また那覇空港は平日でも大体混雑している事も多い。 特にこの前の日(6月23日)は戦没者追想式典があったので、式典出席者の帰り の客が多くて、混雑が予想される。荷物を持っての移動は辛い所である。  荷物の事前の送付について、サービスに相談した所、「広島からなら12kg 以下にまとめてしまえば、郵便局の郵パックが安くて便利である。また無理に 規定の段ボール箱でなく、バッグのままでも構わない。」との事であった。  これなら助かる。それでも事前の荷物を12kg以内。しかもその残りも 10kg以内となると荷物には工夫がいる。普段ならモルジブの時はわざわざ 水中写真用と、天体撮影用の2台のカメラとか三脚を持参したが、この様な訳 には行かない。もう少し事前に荷物の工夫が必要である。

 6月の上旬に地元の郵便局にて送付方法について尋ねた。カバンに積めたまま での送付は構わない。だがそのまま荷物にして送るにしても、濡れたり破損に ついても不安なので、手持ちの段ボールの箱が丁度あったので、これに一応器材 他を仮に積めてみた。器材だけでもすぐに12kgになってしまう。着替えとか を一緒に積む事はもはや無理であった。従って器材以外にも出来るだけ少なく とも行きがけは、荷物については軽くする必要がある。 6月 9日に事前の郵送を行った。自宅の体重計により荷物の重量を正確に 計ったつもりであった。だがおよそ100g程度オーバーしてしまったので、 ビーチサンダルを抜く。運賃は遠距離地区なので1580円。宅急便の類はこれ よりも大きくてしかもまだ重い重量まで送る事は出来る。しかし20kg程度 でおよそ3000円ぐらいとなり、かなり高額となる。

 まあ夏の時期であるので、着替えについてもそれほど多くはない。Tシャツの 類は捨ててしまうつもりで、着替えを色々と探す。天体撮影を諦めれば重量物は 少ない。それよりも事前に準備をしたいのは、風景印用の台紙ある。子供が生まれ てから、旅行先にて郵便局が空いている時は、出来るだけ風景印(地元の各郵便局 が独自に取り扱っている消印)を押す様に、専用の台紙を2部用意している。 今回はこの2部以外にも知人の餞別の為にさらに追加をしている。A4サイズの ケント紙に広島方面とか手持ちにあった沖縄の切手を事前に張り付けて置き、消印 のスペースをレイアウトをする。

6.マイナーなチケットの手配

 今回の旅行の白眉はRACであると思う。この為に那覇からのRACでの チケットの入手方法を含めたフライトの状況は詳細に書いてみたい。旅行前に 事前に最近の飛行機関係雑誌エアラインをざっとであるが目を通していた。 (以前と違って毎月は買っていない。久々読んで見たら、毎月の国内フライト スケジュールの掲載がなかった。雑誌と言う使命なのだから、完全な最新情報 でなくても、先月号と比較して新しい情報なら、ぜひ掲載すべきである。 そうしないと月刊誌の意味がない)最新号での記事は特に目立った物はない。  マニアは毎月買っている。フライトスケジュールの掲載がないからと言って 先月号の雑誌を引っ張り出すのは面倒であるし、その手間を考えたら月刊誌の 意味がなくなってしまう) 4月下旬に旅行会社に切符を手配した時に片道の 料金が6360円から7000円に変わっていた。

 その値上げの理由は、RAC全体の赤字である。正確には記憶をしていな かったが、累積約9億ぐらいの赤字があって、値上せらざるを得なかったらしい。 RACの赤字は致し方ない。実際RACの運営はきつい思う。18人乗りのこの DHCツインオッターでさえ、那覇ーケラマ間はつい数年前にようやくこの 機体となった。それまでは全て英国の9人乗りのアイランダーにみであった。 さすがに、この路線は人気がある為か、この9人乗りの機体では不足の為に最近 19人乗りの機体も便に寄っては、導入された。地元の旅行会社の飛行機 タイムテーブル(何処にでも無料で置いてある薄い冊子)を見てたら、RACは ANAではなくJALの方に掲載されている。国内にはおよそ3種類の冊子が あるが、多分JTA(旧南西航空)の系列に近いルートを持っているからだと 思う。地元で買った航空チケットも以下の様に記載がされていた。

日本航空航空券(連帯運送) 大人片道運賃
沖縄/那覇  ー 慶良間  ¥7000
JTA 711便  6月24日 14:55分発

RACは一応別会社であるが、便の頭の記号もJTAと同じになっている。 発行他については全てJTAと同じ扱いであろう。地元の那覇ならRACは かなり身近かも知れない。だがこの広島ではチケットを扱う地元の旅行社に とっても、かなりマイナーなエアラインだ。広島ー那覇往復のチケットは いつもの事の為か、スムーズに発行出来た。だがRACの場合は、旅行会社の フライトコードというのか、便数指定専用コードがそのカウンターでは分からず 何度も書類を引っ張り出す。それでも分からないので広島市の本店に電話で 問い合わせると言った状況。これ一つをとっても馴染みはこの広島では薄い。 その時は旧料金6360円であったが、チケットには7000円となっていた ので、理由を聞いても「よく分からない。」との返事。こちらも不安になった ので、普段は請求しない観光目的の個人旅行でも、一応領収書を発行して貰った。 (後日5月上旬に料金が上がった。だがチケットを入手したのは4月の下旬)

 その後も6月の上旬になって、旅行会社から電話が職場にかかってくる。 「飛行場から離島のどの島に行きますか?」 飛行場のある外地(ふかじ)島から主要の3つの島に渡るのだが、どの島に渡る のかで迎えの船の都合がある。外地島は飛行場のみの島で無人島。ケラマ諸島に 行くには、そこから小さな船に渡る。本来ならチケット入手の時に、この最終 目的地の島まで指定をする。だがこの点までは、旅行者も分かっていなかった らしく、後日何らかのルートから問い合わせがあって、私に電話があったので あろう。この点でもやはりマイナーなエアラインであろう。

7.広島空港の駐車場のキャパ

 6月17日(月曜)から旅行出発までは、私を含めた家族妻、子供を含めて 全員が、急病となって大変な自体となってしまった。まず19日(月曜)数日前 からの発熱が腎炎、20日(火曜)が子供の夏風邪(ヘルパンギーナ=発熱と 口内炎の痛み)、22日(木曜)私は腎臓結石の尖痛により散々な日々であった。 私の体調も万全ではなかったが、兼ねてからの旅行であった意志の強さもあった のか、何とか当日には回復する。三次出発は9地50分。自家用車にて広島空港に 到着する。この日は土曜日であった。空港についてのは11時10分 であったので、出発の30分までならかなりの余裕だと思っていた。  だが空港周辺の駐車場は殆ど満車で、空きをを待つ車も20台ぐらい並んで いた。だが幸いにもおよそ10分ぐらい待ったら、何とか入り込む事が出来た。 有料駐車場(1日1000円)の割には、この当りの配慮は必要と思う。また 自家用車の利用者も、土曜の昼間は、混雑が予想されるので、事前に余裕を持つ 事も必要だ。

 慶良間まで機内預け荷物を受け付けてくれた。乗継ぎ時間が1時間余りなので、 荷物も「DOOR SIDE」となっていた。ANA広島ー沖縄間までの フライトについては、特筆する事は余りない。この日の天候は広島は薄曇り。 1時間30分で那覇に到着。那覇空港では往復共に、国内線の第1ターミナルに 直接乗り付ける事が出来なく、バスでの移動となる。バス移動の間は、JTAの 機体を見ていたが、まだ南西航空の旧塗装の物も時折見受けられた。RACから のフライトは、まだ我々は初めてであった。本来国内線の到着した第1ターミナル にて昼食を取りたかった。しかしRACのカウンターは第2ターミナルである。 余裕を持つために、すぐに徒歩にて歩いて移動をする。  この日の天候は薄曇りであったが、さすがに梅雨が空けた沖縄であるので、 暑くて、屋外の移動は汗が出て来る。でも完全な夏型の天気ではない。快晴では なく、また風も強い。

8.重量制限の解釈

RACの受付カウンターはJTAと同じ部分にあり、丁度隅の方に間借りを している。受付のカウンター(コマ)の数は、1つである。とてもこじんまりと している。広島で預けた手荷物の確認と共に、乗客の重量を計る。大型機なら 荷物のみの計測であるが、小型機の為に重量バランスから、乗客の体重も把握 しないといけない為である。前のBBSでも手荷物の重量制限について記載 をした。実際広島からの手荷物の重量を計ると共に、乗客の重量も計った。 この時は最初は乗客と手荷物とは別に計ると思っていた。だが機内に持ち込む 荷物と一緒に体重を計った。連合いのメナモミは重量超過を気がかりであった。 私と違って、この旅行に備えて本格的な水中カメラを持参して、しかもその重量が かなりの物であったからだ。だが重量オーバーにはならなかった。多分この体重計 と一緒に計る事の出来る荷物は、身の回りの荷物として解釈されるのであろう。

 席は7A、7Bで一番後ろとなっている。(重量制限の関係から好みの席を リクエスト出来ない)渡されたチケットは、磁気カードの付いているタイプ ではなく、一昔前の物に似ている。チケットを良く見たら、18人乗りの機体 ではなく、19人乗りの物であった。RACには大東線(南大東、北大東)用に トイレの付いた18席の物と、トイレのない19席の物と2タイプある。  およそ30分ぐらいの時間があったので、その間に3階のレストランに上がって 昼食を取る。第1ターミナルと違って、飲食店が少ない。一応沖縄そばを注文した が、味はまずい方であった。(一旦ゆでた麺が十分にほぐれていない) 第1ターミナル3階の大衆食堂ぽい店の方が断然旨い。14時を回っていたが、 客の出入りも激しく、せかされた感じで落ち着けなかった。

 食事の後に荷物検査に入る。のんびりとしていたので、この当りは余裕が なかった。バスでまた移動をする。搭乗の時に丁度係員が荷物の積み込みをして いた。時間的に余り余裕がなかったので、手短に乗り込む。DO−228 アイランダー9人乗りと比較して、パイロットは2人である。その内の一人が 運転席でセットアップをしていると同時に、もう一人は機内を見回り、 シートベルトの装着をチェックする。  機内はとても暑くて、しかも風が殆ど通らない。蒸風呂の様である。一応 エアコンの設備はある。だがフライト時間が短いので余りかけても意味がない。 我々の席は7列で一番後ろであったので、機内の様子が一番よく見渡せる。 乗客の誰もが備え付けの「うちわ」及び「おしぼり」を利用している。これらの 備品はいずれもJTAである。

9.上空からの飛行機の撮影

エンジン音が高まると共に、ドアが締り、スタートとなる。YS以上に音が 大きくて、お互いの会話が難しい。騒音の点では大いのに不利であるが、小型機 ならでのメリットはある。それは飛行機の「上空」からの撮影である。大型機の 場合には、スタート後も上昇はゆっくりで、しかもスピードは早い。この為に 飛行場内に駐機している上空からの飛行機の撮影は難しい。  それに対して小型機の場合は、滑空距離が短く(今回はおよそ600m ぐらい)すぐに上昇する。しかもスピードも比較的遅い。この為に上空からの 撮影にはとても適している。今回もANAの大型ジェットを余裕をもって撮影 出来た。(一般に飛行機を上から見ての撮影は簡単には行かない)

 さてここで、那覇ーケラマ間のルートについて書いてみる。手持ちの エアライン国内路線ガイドによると、那覇ーケラマのルート他は以下の様に なっている。(90ー91年航空旅行ハンドブック)

沖縄「那覇」ー慶良間 41km 15分
1)運行航空会社「運行機材」 RAC「BN」
2)一般的な飛行高度 300m/300m
3)路線の主だった特徴 年間を通じて島民の利用が中心。 だが夏場には特にダイバーで込み合う
3)一般的な飛行コースと地上の景観 那覇空港のランウエイによって2つの ルートが設定されている。

このデータはやや古く、しかも今回はやや大型の機材カナダのDHCー6 ツインオッターなので、巡行高度等が異なる可能性がある。  離陸後は南南西の滑走路(18)を暫く沿いながら上昇するが、やや西の方へ と向きを変える。途中にある無人島のルカン礁当りから、また北に向けて方向 を変える。やや薄い曇りであっても、この当り目的地のケラマ諸島が見えて 来る。約300mの高度の為に、地表の海、とりわけ環礁に打ち寄せる白い波 がとてもきれいである。

10.重量計と体重計の差

 ほどなく目的地である約40島からなる慶良間諸島が見えて来る。その後 飛行場のある外地島の滑走路が見えて来る。風向きの北側を回り込む様にして 降下を開始する。この時に一瞬機体が下降して乗客の誰もが興奮して声を出すが ほどなく到着。フライト時間が15分と短いので、揺れによる影響は少ないと 思う。15時過ぎに慶良間飛行場に到着。ここから車でおよそ3分ぐらの橋で 陸続きとなっている慶留間(ゲルマ島)の漁港に向かう。この漁港までワゴン車 及びゲルマから他の2箇所の島までの船による交通はRACによる。2台の 出迎えがあり、乗客は分乗したが、手配ミスの為か我々二人は乗り切れなかった ので暫くこの飛行場にて待つことにした。

 前にも書いたがこの外地島は空港ターミナル以外は何もない無人の島である。 ターミナル自体は最近改築されたらしく、新しくて、しかも冷房設備がある。 だが土産店もなく、自動販売機があるのみ。この間を利用して先ほど運転した パイロットの一人に私が数点質問する。

 また巡行高度について。これはアイランダーとおなじ300mであった。 次に所用時間であるが、これも15分から1ー2分短くなった程度。この様な 設備であるので、時間潰しが難しい。建物内にはカウンターが一つある。那覇 では大手と同じ近代的な重量計があった。だがここでは200kgまでの 「体重計」がある。(風呂屋にある様な目盛り盤が目線に近いタイプ)

 RACの赤字の原因はやはり小型機のみの運用にある。大手は2名の パイロットで百人単位の乗客を一度に運んでいる。それがRACでは同じ2名 でも最大19人のみ。便数も少ないから、延べ乗客数も少ない。運行路線も 沖縄本島を中心とした路線(慶良間、粟国、渡名敷、大東)と、先島諸島の一つ 石垣市間を中心とした路線(波照間他)とに2分されている。しかも那覇と 石垣を結ぶルートは持っていない。この点からも効率的な運用は難しい。

11.軍配は

空港のある外地島と慶留間(げるま)島とは橋にて陸続きになっている。 ゲルマ島から阿嘉、座間味島とのアクセスはRACの連絡船を利用する。送迎 専用の船で、RAC利用客以外の乗客は利用出来ない。運行時刻もフライトの 到着、出発に合わせてある。全長8mぐらいの小さな船である。小さい船の為 慣れないと、乗り降りも難しい。この日は南西の風が強かったこともあって、 出航も大きく揺れ、しかも波しぶきが凄かった。約5分で最終目的地の阿嘉島に 到着する。

 ここにてようやく阿嘉島に到着したが、ここで沖縄本島と慶良間を結ぶ フェリー(座間味丸)とRACとを比較してみる。この場合はあくまで本土の 人が空港から本島に乗り付けての旅行のケースである。だが残念ならがRACの メリットは殆どない。その理由は以下の通り。

【1)切符の手配の困難さ】
席数限られているのがRAC。それに対してフェリーの便は1日1便でも 数百人の乗客を一度に輸送出来る。ケラマ諸島の宿泊施設の数は限られて いるので、一度に多くの観光客は来ないのでフェリーでも十分対応が出来る。 それに対して、小型機の故に事前に予約が出来る物のキャパが少ない。

【2)重量制限】
ダイバーが多いが、どうしても一人は20kgには最低なってしまう。 手荷物の制限はやはり問題。

【3)乗り換えが多い】
那覇空港から阿嘉島までのアクセスの両者の差は以下の通り。

【RACの場合】
第1ターミナルー第2ターミナル  バスまたは徒歩 第2ターミナルー機内       専用送迎バス 外地空港ーゲルマ漁港       専用自動車 漁港  ー各島          連絡船

【フェリーの場合】
第1ターミナルー泊港       タクシー 泊港     ーフェリー     徒歩  乗船後は各自で荷物を付いたら運ぶだけ この様に、乗り換えの回数が少なくて済む。お互い船でもフェリーと  小型船とでは揺れ格段に違う。

【4)経済的にも船が安価】
  フェリーの場合  約3000円ぐらい(空港ー泊間のタクシー料金も考慮)   RAC      約7500円

【5)帰りの便で時間の潰す所がない】
  帰りの船はRACの出発便に併せて各島から連絡船が出る。かなり時間的   に余裕を持っているので、慶良間飛行場内で時間を潰すしかない。しかし   自動販売機以外は店も全くない。

泊ー各諸島はおよそ2時間の行程である。しかしRACも乗継ぎ時間を含めたら 2から3時間も短くなる事もない。ただゲルマと阿嘉島とは陸橋工事が始まって おり、いずれ陸続きになることから、阿嘉島に関しては、もう少し状況はいずれ 変わって来る可能性もある。

12.船の大小比較

阿嘉港では今回お世話にRダイビングサービスの出迎えがある。このまま 港から徒歩にてRサービスに向かう。距離はおよそ100mぐらい。サービスの 到着後は、申し込み書類に記入をすると共に、明日からの説明のブリーフィング。 その後徒歩2分(距離はおよそ150m)の民宿Mに到着。ここで事前に送付 した荷物を解く。18:30の夕食までは時間があるので、歩いて1分の港の 隣にある前浜ビーチにて泳ぐ。私はもうおよそ5度目の沖縄で、沖縄の美しさは かなり知っているが、メナモミは初めてあるので、坂なんお種類の豊富さに 歓喜の声。実際本土では見かけない魚が多い。

 最初の晩は土曜日の晩と言うこともあって、満杯であった。本館(1階は厨房と 食堂及び1部屋、2階は和室6部屋)ではなく、隣の別棟に泊まる。ダイバー向け の典型的な民宿で、玄関入口にシャワー、トイレがあり、器材の洗い場とか干す 場所が旨く配慮されている。この後の流れについては、丸3日間殆どダイビングを 含めた同じ流れである。この為に1日の流れに乗ってまとめて書いてみる。

 朝食は8時00分からで、起床後は私はぎりぎりまで寝ていた。しかし同室の メナモミの方は、朝に強く起床も早くて、3日間全て朝食前に散歩へ朝食は和食 であったが2ー3品以上はあって、毎日替わり、飽きもなし。その後は水着に 着替えて、歩いて3分(約300mm)の漁港に向かう。阿嘉島の人口は 約200人であるが、この漁港のある部分のみに集落は集中している。狭い集落 であるが、小、中学校はこの中にある。観光客は殆どダイバーで、一般に商店が 3軒のみ。それらの店は典型的な田舎の店で、食料品、日用品、雑貨は元より 種類も一緒に販売している。島の住民よりも観光客の方が多い。Rサービスは 時車内の大型の船(ダイビング専用)を所有している。6月下旬では昨年まで はそれほど混まなかったらしいが、今年はもう込み合うシーズンであった。この 3日間、4ー6ハイの船が出た。

 どの船に乗るのかは、客の行きたい場所、経験、目的(写真が主体かどうか外) によって、決まる。メナモミの方は経験本数が少なく、水中写真が目的と言うこと もあって、我々は全て3日間小さな船となった。 大型船の方は船内のデッキが とても広くて、器材の装脱着もしやすい広いスペースがある。  それに対して、我々の小さな船の方は、全長10mぐらいで、その中に ダイバー6ー8人、ガイドが1人、船頭が1人。船内の乗り降りや、器材の 装着、脱着のスペースが狭くて不便な思いをした。しかし必ずしも大きな船が 良いとは限らない。小さい方がグループ人数が少なくて、ガイドの人も細かい ケアが出来る。大型船は1グループの人数が多いので、ケアもやや不十分と なる可能性もある。それに船の喫水が深い為に岸に近い場所でアンカーを打つ ことが出来ない。この為岸辺に近い浅瀬のスポットには行けないケースもある。

13ビデオ上映

1日に午前と午後の2回ずつ、計6本潜った。スポット名の詳細と感想に ついては、後で書く。3日間通して、薄曇りの天気で、沖合いでは常に3から 4mの大きな波があった。このために諸島の外回りのスポットへは行けず、 内側の5ー15分の短いスポットのみであった。  昼食は民宿にて。3食の内の2食は弁当で、フェリーの座間味丸にて那覇より 運んでくる。昼食後は大体昼寝。午後のダイビングの後は岸辺で泳いだり、散歩 に出かけたり。

 夕食は18地30分である。宿泊者は夕食が待ちきれない為に、玄関先の入口に ある自動販売機でビール(勿論地元のオリオンビールでうれしい事に定価販売)を 買って、一杯飲んで夕食を待っているパターンが多い。夕食は4から5品ぐらい。 夕食後はRサービスの2階の飲み屋(この島にて唯一夜間営業している店でも ある)にて大半の人が集まる。その目的はガイドが昼間水中で撮影した ビデオを上映する為である。1日に数多くの船が出ているので、上映時刻も 船に乗船していたグループに合わせて、分かれて行う。上映時間はおよそ30分 ぐらいであったが、昼間では魚の詳しい種類とかが分からなかったり、見落とし があっても、このビデオのおかげで補える。その後はそのまま民宿に戻って寝る パターンであるが、最後の晩は、民宿の主人と一緒に泡盛りを飲んだ。この民宿 では常連客が多い事とか、我々の話す言葉から、九州の人間と思われたりと 言った話題が中心となる。

14.スポット一覧

今回出かけたポイントは以下の通り。

 時刻     場所 スポット名

25日 AM 阿嘉島西  西浜(にしばま)
    PM 阿嘉島北  儀名(ぎな)

26日 AM 安室島東  安室島東(あむろじまひがし)
    PM 座間味北  燈台下(とうだした)

27日 AM ガヒ島北  海底砂漠
    PM 渡慶敷西  野崎 (のざき)

 初日の西浜は慶良間諸島スポットの中では最も有名な中の一つである。映画 「彼女が水着に着替えたら」の水中シーンはこのスポットにて撮影された。 (物語では湘南となっているが、湘南はこれ程きれいな海ではない) ここ 最近は「ケラマに来たら西浜に行かなければ駄目。」と言う風潮でもある。今回 の様に波が高い時期ならこの波靜なスポットは流れも殆どないので初心者でも 行ける。ビーチから行ける事もあって、ここ数年は1日にから10そうの船が 常時出ている。その分裏を返せばダイバーが増える為に、スポットも荒れる。 つまり大半のダイバーは珊瑚を痛めない様に注意を払ってはいるだろうが、 (悪質なダイバーはわざとかも知れないが)、珊瑚を折ったりする可能性がある。 全員がその様な事はないと思う。しかし船の数から1日に数百人はダイバーが このスポットに来るのだから、少なくとも初心者はいるはずだし、その中の 1人や2人はついつい折ってしまう。それにたとえ折らなくても、海底には 砂地が多く、ダイバーが入る事で砂地の砂が 巻き上げられこの砂が珊瑚に かかり、珊瑚が死滅してしまう可能性もある。最も赤土の様な砂程の影響は 少ない。沖縄本島の珊瑚が死滅した原因は、オニヒトデもあるが、開発によって、 陸地より土砂が流れてしまったのも原因がある。今回の6箇所の中でこの スポットが最も珊瑚が痛んでいた。

また3日目の海底砂漠は流れがなければ、水深20mに横たわる砂漠の様な 砂地の地形が堪能出来る。しかしこの時は流れが強く、しかも濁っていたので、 15mぐらしか潜る事が出来なかった。その為に地形を堪能する所か、グループ に、はぐれない様に、注意するのが精一杯であった。

 6箇所の中で一番好きなスポットは、安室東である。最大水深15mぐらい であったが、最初は砂地を中止とした珊瑚の根を見て回る。その後浅瀬に移動 して珊瑚の群れの中を移動しながら、元に戻る。この浅瀬の珊瑚は殆ど枝珊瑚 で色々な種類でしかも青を中心とした色がとても美しかった。最初は砂地を中心 とした明るい景色。後半は砂地が全くない一面の珊瑚。魚の種類は勿論豊富で、 様々な景色を一度に堪能出来る、フルコースの雰囲気であった。

 南の暖かい海特有のバラエテイーに富んだ色の魚は勿論目立つ。それ以外に 印象的だったのは、キンメモドキの群れであった。燈台下スポット岩礁の影に 潜んでいた。(キンメモドキは夜行性で昼間は暗い岩影に隠れている。)その 数は数え切れない程で、群れ自体の大きさは建物で言えばだいたい4畳半ぐらい の部屋の中に(水中なので表現が難しいが)相当する。大きな魚が来ると、その 群れが逃れようとして、移動する動きが美しい。

15.慌ただしい中

26日の夕方は、阿嘉島頂上に近い中岳展望台まで往復およそ1時間歩いて 上がった。展望台の眺望は、諸島周辺が大体見渡せた。屋根があるので、星空の 撮影には不向きである。道の途中に道端に植えてあったのは、天然記念物の ケラマツツジであった。回りには柵がしてあったが、ケラマジカから若芽を守る 為かとも思っていた。しかし民宿の人に聞いたら、人により踏みつぶされない様 にする為だと分かった。ケラマツツジも盗堀が多いらしい。帰り道で一瞬では あったが、ケラマジカを見ることも出来た。

 最終日は午前中の便にて阿嘉島を離れ、半日那覇市内の買物の予定であった。 しかしこの船がめったにないエンジントラブルとかで欠航。午前中は適当に 時間を潰す。12時00分発のフェリー(座間味丸)にて、昼食は座間味の 町にて取ることに決めた。しかしこちらも到着がかなり遅れて、わずか分の間、 しかも雨の中、弁当を買って来る慌ただしさ。阿嘉島発14時15分出発予定の も1時間以上遅れて、17時過ぎに那覇泊港に到着。17時45分発の帰りの 飛行機の便はぎりぎりで間に合った。那覇市内どころか、空港売店でも、おみやげ を買う暇は殆どなかった。

 早割の切符はキャンセル料金が高い。往路の遅れはそれほど心配ない。復路 では、特に離島に行く場合、今回の様な遅延があるので、融通のきく普通切符の 方がベターである。

 最後におみやげについて。いつもなら、この項目はかなりのスペースで書いて みたい。しかし前述の様に、殆ど時間はなく、せいぜい座間味30分の停泊の 間にトライしたのみ。しかもその30分の中で風景印の為に郵便局に行ったりで 土産店に行ったのは、およそ5分間。塩、フ、シークワーサーエキスの瓶を 買ったのみ。この中のフについては、本土と違って独特の歯ごたえがあり、 大きさもデカくて(太さが5センチ、長さは30センチぐらい)、旨味もあった。 値段も安いが、かさばって、すぐに壊れてしまうのが欠点。なお座間味郵便局の 風景印はケラマジカと座間味の海岸である。斬新なデザインで慶良間の雰囲気 が良く出ている。雨の中にて出かけた恩恵はあった。

   ーー旅行記は終わりーー     「広島 テンキチ」

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